高根町 Sさん

昨年、高根町にマンション購入

一昨年の暮まではサラリーマン生活。定年退職の期日より九ヶ月早く会社を辞め、「これからは自分の好きなことをやろう」と決めた。好きなこととはヨガで、そのための修行の場を、まず探した。友人の勧めもあって八ヶ岳南麓に焦点をしぼり、インターネットで見つけた高根町のマンションを気に入ってすぐに購入。
「冬の寒さや雪対策などを考えるとマンションは楽だと聞いていたので、迷わず決めました」
77平米の広々としたフロアは、富士山、八ヶ岳、南アルプスが一望できる眺望の良さ。1階に温泉があって思いのほか心地よく、今では千葉の自宅と八ヶ岳を行ったり来たりしている。

ヨガと農業

ヨガとの出会いは、『あるヨギの自叙伝』という一冊の本。インドの偉大なヨガ行者パラマハンサ・ヨガナンダ師の生涯を描いたこの本は、かのスティーヴ・ジョブズ(アップル社創設者)も年に1回は読んでいた愛読書であり、ビートルズもこの書から多大な影響を受けたといわれる名著で、大きな感動を受けた。そして、ヨガナンダ師が伝授したクリヤ・ヨガの先生に師事して本格的にその秘儀を習得し、本の翻訳や自らヨガ教室を主宰するなど、ヨガに浸った生活をしている。その修行の場として、八ヶ岳は恰好の場といえるだろう。
 また、農業にも興味を持った。シベリアの森でただ一人、自然と調和しながら生きる美女アナスタシアの『アナスタシア』を読み、そのスピリチュアルメッセージに感銘したのだ。同時にロシアで普及している“ダーチャ”システムにも共感。いわば農地付き別荘のことで、ロシア人の多くは、郊外の別荘で食料を自給している。このスタイルを実践すれば、天変地異や戦争など、不測の事態が起こっても生き延びることができ、これからの時代にふさわしい理想の自給生活だと、直感した。「しかも無農薬、無肥料の自然農なら自然を守り、省エネにもなって身体にもいい。日本でもダーチャを広め、コミュニティを作りたいと思ったんです。それにはやはり、八ヶ岳は最適な場所なのではないでしょうか」

時間をかけて土地探し

現在、月に10日ほど単身で八ヶ岳に足を運び、月1回ヨガの教室を開いている。また、友人の土地を借りて農業にも挑戦し、今年はすでにミニトマトと人参の種をまいた。着々と目標を実践しているのだ。
今はマンション住まいだが、いずれは自分の土地で畑もやりたいと、1年位かけてじっくり土地を探し、家を建てるつもりだ。今はもっぱら、情報収集の真っ最中だ。
 ヨガのサークルはもちろんのこと、畑仲間や「アナスタシア」の読書会仲間など、色々なグループと連携しながら、充実した八ヶ岳ライフを送っている。
「マンションの温泉で自然に声を掛け合ったりして、短期間の間にいい人間関係ができたことをうれしく思っています」
夜9時には就寝し、朝3時起床。好きなヨガ三昧の生活は楽しいという。これまでのサラリーマン人生とは無縁の、ピュアな世界が進行しているようだ。

取材:2016年春

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